ウイグルを中国化 党幹部と「親戚」に 漢族文化押し付け

東京新聞, 10.01.2019

【北京=中沢穣】中国の習近平(しゅうきんぺい)政権が、イスラム教少数民族のウイグル族らに対して漢族の文化や共産党の権威に従わせる「中国化」を迫る政策を強めている。新疆ウイグル自治区では百万人以上の幹部らを動員してウイグル族家庭を監視させる制度を導入したほか、国内のイスラム教徒を対象にした「中国化五カ年計画」も進めている。

党中央統一戦線工作部は三日、同自治区で百十二万人の党幹部や政府関係者と、百六十九万のウイグル族家庭がほぼ一対一で「親戚関係」を結ぶ制度が約二年前に導入されたと明らかにした。幹部らは各家庭を頻繁に訪れて生活相談などに応じるほか、冠婚葬祭にも参加するといい、「民族の団結や貧困軽減」で成果を上げていると自賛した。陳全国(ちんぜんこく)・自治区党委書記も自ら自治区南部のホータンの家族と「親戚」になり、「党と国、社会主義を愛する伝統をともに受け継ごう」と呼びかけたという。

ウイグル族の懐柔を図る目的とみられるが、米政府系放送のボイス・オブ・アメリカによると、イスラム教で禁じられた豚肉を強制的に食べさせるなどの事態も起きている。同放送は「『親戚』は政府のスパイであり、家庭に入り込んで一挙手一投足を監視しているのと同じだ」と指摘した。

また、党機関紙・人民日報系の環球時報(英語版)は六日、二〇二二年までにイスラム教を社会主義に適合させ、党の指導に従うように「改良」する「中国化五カ年計画」が作成されたと報じた。計画は官製組織の中国イスラム教協会がつくり、イスラム教徒に対して「社会主義の価値観や法律、(漢族の)伝統文化などについての講座や訓練」を行う。

中国と良好な関係にある中東カタールの衛星放送アルジャジーラもこの問題を報じ、「習近平政権下で、宗教の自由が縮小している」と警戒感をあらわにした。中国ではキリスト教徒に対しても同様の計画が作成されている。

イスラム教徒の多いインドネシアのバンダアチェでも昨年十二月末、ウイグル族に対する中国政府の政策に抗議するデモがあった。