ウイグル、憎しみ「限界」 亡命組織のカーディル氏

Biglobe, 23.12.2018

中国から亡命したウイグル族の組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席は2018年10月下旬、共同通信の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。カーディル氏は10月26日、ウイグル族らでつくる国際組織「自由インド太平洋連盟」の会長に就任し、既に「世界ウイグル会議」主席からは退いている。(共同通信=日出間翔平)

 ―国連人種差別撤廃委員会は中国の新疆ウイグル自治区で100万人以上が不当に拘束されたとの報告があったとしている。現在の状況は。

 「私の話をうそだと思わずに聞いてほしい。(拘束されたのが)100万人と言われているが、私たちは300万~500万人、もしかするとそれ以上かもしれないと推測している。多くのウイグル族が街から姿を消し、虐殺が続いている。親を失った子どもたちが、多数いる。状況は報道されているのに、なぜ世界は沈黙を破らないのか。私たちの訴えが足りないのだろうか」

 ―中国当局による拘束はテロ対策名目だとの指摘がある。

 「はじめは宗教的な、宗教人への弾圧だった。今はその領域を超えた。学者、俳優、歌手、すべての人が対象だ。男性は連れて行かれ、美しい女性は強制的に結婚させられる。断れば殺される。信じてもらうのが難しい。収容所への連行が注目され、今度は刑務所に移されるようになった。『いつお祈りをした』『いつコーランを読んだ』という理由ですぐに判決を言い渡され、刑務所に入れられる」

 ―情報はどうやって入手しているのか。

 「世界中に亡命したウイグル族たちと連絡を取り、インタビューしている。13カ月以上拘束された後、カザフスタンに逃れた女性は『収容所では12人用の部屋で38人が生活していた』と証言した。みな、なぜ捕まったか分からないと話していたそうだ」

 ―米国議会の委員会が中国当局の弾圧を批判し、トルコ政府は多数のウイグル族を受け入れている。国際社会に何を求めるか。

 「時間が経過すればするほど、死んでいく人が増える。米国は確かに行動を起こし、トルコは亡命を許してくれた。しかし、まだ足りない。緊急の対応が必要だ。今の私たちの状況は、他国の明日かもしれない。日本政府にも、解決するべき問題だと捉えてほしい。全世界が行動を起こせば、中国は措置を取るかもしれない」

 ―中国を逃れたチベット族などほかの少数民族と連携する新たな国際組織「自由インド太平洋連盟」を設立。狙いは。

 「今、ウイグル人たちは限界に来ている。この上ない憎しみを感じている。兵力があれば、戦争をしたいと思うほどに。だが武力行使で問題は解決しない。これまでは個別に訴えてきたが、チベット族などと結束して平和的な手法で解決を探りたいと考えている。だから近隣国であり、アジアで最も民主的な日本で新たな組織を設立することにした」

「自由インド太平洋連盟」の結成大会で発言するラビア・カーディル氏(中央)=10月、東京都内