北京春秋 演出だらけの聖火リレー

産経新聞 2008.6.20 03:30

新疆ウイグル自治区で行われた聖火リレーをテレビで見ていて、“民族融和”の演出に妙にいらだった。

新疆ルートは本来なら日本人聖火ランナーら8人の中国在住外国人も参加する予定だった。それが、「(テロの危険があり)身の安全が保障できない」という理由で直前に、外国人ランナーは甘粛省蘭州ルートに変更となったのだ。

本当に危険ならリレー自体やめるべきだろう。実は“テロの危険性排除”という名目で強化されている少数民族に対する弾圧状況を、外国人の目に触れさせたくないだけでは? 

日本人ランナーに選ばれた北京在住の水谷芳利・北京ソラン会長は、駅伝レースにかけた青春時代を思いだし、たすきをつなぐことは心と心をつなぐことだ、と語った。洋の西と東をつなぐいにしえの国際通路シルクロードで、各国のランナーや少数民族のランナーが聖火をつなぐ。そうすればことさら演出などなくても五輪精神を体現できたろうに。

振り返れば、これまでの聖火リレーは国内外ルートとも中国の愛国心や虚栄心ばかりが目立った。北京五輪はあと49日で開幕するが、北京五輪が“中華民族体育祭”ではないというのなら、一度くらい国際協調や世界平和を訴えるリレーを見せてほしい。(福島香織)

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080620/trd0806200331000-n1.htm