中国 ウイグル族収容施設「不当拘束」批判強まる中 建設継続か

ソース:NHK

中国で大勢のウイグル族が当局の収容施設に不当に拘束されているとして、国際社会の批判が強まる中、オーストラリアの研究機関は、収容施設の数は380か所以上に上るとみられ、現在も新たな施設の建設が進められているとする調査結果を公表しました。

アメリカ政府や国際的な人権団体は、中国の新疆ウイグル自治区で2017年以降、ウイグル族など100万人に上るイスラム系の住民が、テロ対策を口実に当局の収容施設に不当に拘束され、思想教育などを強要されているとして批判を強めています。

これに関連して、オーストラリアの政府系シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所」は24日、衛星写真の分析や収容されていた人々の証言などを元に、ウイグル族の収容施設と疑われる場所が自治区内で、合わせて380か所以上に上るとする調査結果を公表しました。

これらの施設について新疆ウイグル自治区の幹部は、去年7月の記者会見で、職業訓練や再教育が目的だとして強制的な収容を否定したうえで「教育を受けた者の大半は社会に復帰した」と述べています。

一方で、今回の調査では去年7月からの1年間に、少なくとも61か所で施設の新設や建物の増築が行われていたほか、現在も新たな施設の建設が進められているとしています。

このうち、ことし1月に完成したとする自治区南部・カシュガルにある収容施設は、有刺鉄線が張り巡らされた高さ10メートル以上ある外壁に囲われているほか、複数の監視塔が確認できるとしています。

こうした厳しい監視態勢が敷かれた施設について「オーストラリア戦略政策研究所」は「いわゆる『再教育センター』からより刑務所に近いものへと、施設の形態が変わってきている」と指摘しています。

中国外務省「収容施設は存在しない」

この報告書について、中国外務省の汪文斌報道官は、24日の記者会見で「新疆ウイグル自治区には、以前からいわゆる収容施設というものは存在しない」と反論しました。

そのうえで、報告書を公表したオーストラリア戦略政策研究所について「長年、アメリカ政府や軍需産業から資金の支援を受けており、事実上の反中勢力の急先ぽうだ」と指摘したうえで「報告書は学術的な信頼性が非常に疑わしい」と述べました。

中国政府はこれまでも新疆ウイグル自治区では職業訓練施設での教育によって人々の生活が豊かになっていると強調しています。

また、中国共産党系のメディア「環球時報」は24日、この研究所の研究員を含むオーストラリアの研究者2人が中国への入国が禁止されていると伝えました。

禁止になった時期については明らかにしていません。