中国のウイグル人弾圧、ビッグデータ活用で加速 HRW報告

ソース:MSN

© GREG BAKER / AFP 中国・新疆ウイグル自治区にある施設に掲げられた国旗(2019年6月4日撮影、資料写真)。

中国は、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で逮捕するイスラム教徒を、コンピュータープログラムによって「恣意(しい)的に」選んでいるとする報告書が9日、公表された。報告書には、中国当局による同自治区の弾圧にビッグデータが果たす役割が詳細に記されている。

米国を拠点とする国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)による報告書は、匿名の情報提供者から入手した警察データに基づいており、これにはアクス(Aksu)地区で2016年中ごろから2018年末まで拘束されていた2000人以上のリストが含まれている。

HRWは、中国政府が同自治区におけるイスラム教徒に対する残酷な弾圧を技術によって加速させている新たな証拠だと指摘する。

中国政府は、同自治区で100万人ものウイグル人らイスラム系少数民族を強制収容所に拘束していると複数の人権団体が批判するなど、同自治区における政策をめぐり国際社会から激しい非難を受けている。

中国政府はこれに対し、収容施設は職業訓練センターであり、テロ根絶と雇用機会の改善を目的としていると主張している。

中国政府は近年、新疆ウイグル自治区の監視に力を入れており、テロ防止の名目で顔認証、虹彩認証、DNA採取、人工知能(AI)を使った監視システムを全域に展開している。

報告書では、外国から多数の電話を受けていたとしてリストに載り、「注意を要する国々とつながりがある」ため拘束されたT夫人の例が挙げられている。電話は海外に住む姉妹から受け取ったものだったという。

HRWによると、同自治区内の監視システムからデータを集める「統合運用管理プラットフォーム」と呼ばれるプログラムが、不審な行動がある人を選別する。その後、当局者が選ばれた人々を強制収容所に送るかどうか決めているという。

選び出された人の「圧倒的多数」は、海外に住む親族と電話をすることや固定住所を持たないこと、あるいは何度も携帯電話の電源を切ることなど合法的な行為を理由に選別されていることが示唆されている、とHRWは指摘する。テロや過激主義を理由に拘束された人はリスト全体の約10%にすぎないという。

AFPがリストの一部を確認したところ、多くの人の拘束理由は単にプログラムによって「選ばれた」ためと記されていた。

HRWは情報提供者の安全上の理由から、全リストの公開はしないとしている。

AFPはアクス地方政府と新疆ウイグル自治区当局に取材したが、コメントは得られなかった。