ウイグル問題が米中の新しい火種に 200万人拘束情報も

Livedoor, 12.09.2018

中国の新疆ウイグル自治区では「中国からの独立」を叫ぶ少数民族のイスラム教徒ら200万人が身柄を拘束されており、自治区内に巨大な収容所が数十カ所も建設されていることが明らかになった。収容所建設は数年前から始まっており、収監者は自治区の全人口である800万人のうちの25%にも達している。英紙「フィナンシャル・タイムズ」が、ドイツのミュンヘンに拠点を置く世界ウイグル会議のドルクン・イサ代表の話として報じた。

イサ氏は収容者数について、「今年初めには100万人ほどが収容所にいると聞いた。釈放された人がいるという話を聞いていない。いったん収監されたら、一生出られない。半年以上経ったいまも連行は続いており、いまや200万人以上だが、正確な数字は私たちにも分からない」と答えた。

同紙によると、同自治区では、中国当局による「反テロ対策」により両親と親戚が拘束され、子供が孤児状態になったケースが何千件にも上っている。

正確な収容所数は不明だが、米ワシントン大学に留学し、修士課程を修了した中国人留学生の張肖恩氏が米国の衛星監視システムで撮影した同自治区の画像を解析した結果、いまのところ21カ所の収容施設を発見している。そして、いまも建設中の収容施設が数カ所分かっているという。

張氏は北京大学卒業後、ワシントン大に留学後、いまはカナダのブリティッシュコロンビア大学の博士課程で人権問題を解決するため、法学を専門に研究している。

張氏は1989年6月の天安門事件に関するドキュメンタリー映画を観て、中国共産党政権による人権無視の実態を痛感。同自治区での独立運動やチベット問題などに関心を持ち、法律の知識が中国の人権問題に立ち向かう力になると考え、研究を続けている。

張氏が今年3月、中国版ツィッター「微博(ウェイボ)」で、反共産党の論文を発表すると、数時間後には中国内在住の両親が警察に呼び出されるなどの圧力が加えられたという。

中国外務省は、6年間北京に駐在してウイグル問題などを報じてきた、米ニュースサイト「バズフィード」のメーガ・ラジャゴパラン支局長の記者ビザの更新を拒否。同支局長は国外退去を余儀なくされている。

これに対して、在中国外国人記者協会は同氏へのビザ更新不許可について、「遺憾で受け入れられない」との声明文を発表するとともに、中国外務省に対して説明するよう求めている。また、北京の米国大使館も「中国に在住する記者の活動が著しく制限され続けている」として懸念を表明。

これを受けて中国外務省報道官は8月下旬の記者会見で、「内政に干渉してはならない」と強く反発するなど、ウイグル問題は貿易問題に次いで、米中間の新たな外交問題に発展しつつあるようだ。